テーマは「ストレスマネジメントと来談者中心療法」
講師は鹿児島大学の山中寛教授です。山中先生はスポーツ心理学や臨床心理学が専門で、最近ではガンの患者さんのカウンセリングを通してストレスマネジメントをしていらっしゃるそうです。(ご自身もガンを体験され、自己治療中とのことでした)
ストレスマネジメントの実習を期待していたのですが、今回は心理療法の種類やストレスモデル、カウンセラーとしての構えについての講義でした。
心理療法とは
一言でいうと、望ましい体験を援助すること。
人は変われるということを信じ、再学習の機会を提供し、知的なやりとりの中にクライエントが情緒的にも重要な新しい体験をすること これが一般的条件。
また、カウンセリングを行う時、「共感や傾聴は目的ではなく、条件である。」
ということを最初に教えていただきました。
産業カウンセラーの養成講座では主にロジャースの来談者中心療法を学びます。これは心理療法の中の1つであり、他にも認知行動療法や臨床動作法、精神分析法、家族療法などがあります。自分の立ち位置を理解したうえで、カウンセラーはクライエントの状態に応じて心理療法を使い分けたり、リファーしたりすることができることが理想的。
現代社会は、高度情報化、国際化、過当競争により二極化し、それによって時間的切迫感、安全感や安心感が欠如し人間関係が希薄化している。そういった環境が強迫傾向を強め、ストレスを増大させている。つまり、何かしていないと落ち着かない、じっとしていられない、せかせかしている、イライラしている、そんな人たちが増えている。だからこそ、ストレスマネジメントが必要である。
ストレスマネジメントについて、これまでは、「専門的立場からストレスケアや介入のために患者にかかわること」というとらえ方から、現在は「ユーザーの立場から主体的な自己活動に基づく営み」つまり、本人自身が自らケアしていくことへと変わってきている。主なマネジメントとしては、気持ちの持ち方や受け止め方を変えることやコーピングを増やすこと。
そのためには症状を治すことよりも生活体験を重視し、他者援助という考え方から自己コントロールという考え方(さらにケアから予防・育成的アプローチへ)に転換していくこと。知識も大切であるが、具体的にどうすればよいかという体験を重視した教育へシフトしていくことが必要。個別ケアだけでなく集団も対象にし、自分たちがどうやったら受け入れてもらえるかという視点も必要になってくる。
悩みや問題を持つ人たちは何かにとらわれており、外界・他者思考的構えで常に過緊張・不安・焦燥状態にある。その結果、リラックスできておらず、認知的にもゆがみが生じ、心や体に問題を抱えている。また、健康に対する妄想を抱いている。
そういった人たちにカウンセラーは、安心感や安全感を与え、緊張感の軽減と新たな気付きや体験をもたらし、希望を与えたり今を生きていることを体験できるよう援助していくことが必要。また、カウンセリング終了時に体がラクになっていることが大切。
そういった意味でも心と体を一体化したアプローチが必要とのことでした。呼吸法や筋弛緩法などのリラクゼーションを織り交ぜながらカウンセリングをしていくことの重要性を理解しました。
簡単ですが、これが今日の研修で私が理解したことです。まだまだ浅い理解かと思いますが、日々勉強してもっともっと理解を深めていきたいと思います。
皆さんの参考になればうれしいです。
0 件のコメント:
コメントを投稿